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検疫探知犬はビーグルが多いのはなぜ?訓練や麻薬探知犬との違いも!

皆さんは「検疫探知犬」という言葉を聞いたことがありますか?
「検疫探知犬」は、空港や港などで、海外から病気や害虫が入り込むのを防ぐために、荷物や貨物の中に隠れている食品や植物を嗅ぎ分ける訓練を受けた犬のことです。これらの特別な犬たちは、私たちの健康と安全を守るために重要な役割を果たしています。

この記事では、検疫探知犬にはビーグル犬が多いのですが、その理由と選ばれる犬種の特徴、あわせて、検疫探知犬の重要性、訓練方法、そして他の探知犬との違いについて説明します。
そして、検疫探知犬の活躍によって、私たちの日常がどのように守られているのか、その素晴らしい仕事にについても紹介しています。

検疫探知犬は何をする犬ですか?

検疫探知犬とは「動植物検疫探知犬」(quarantine detector dog)のことで、空港や港などで、海外から持ち込まれる荷物(手荷物や国際郵便物など)の中から、伝染病や病害虫を運ぶ可能性のある肉製品や果物などを見つけ出すために訓練された犬のことです。
これらの犬は、日本の国境で働く重要な役割を担っており、私たちの健康と環境を守るために活躍しています。

検疫探知犬の仕事は、とても重要です。
彼らのおかげで、の家畜の伝染病(アフリカ豚熱、豚熱、鳥インフルエンザ、口蹄疫など)や植物の病害虫(ミバエなど)が日本に入ってくるのを防いでいます。
また、検疫探知犬は、空港や港で働くだけでなく、国際郵便局でも活動しており、日本全国で活躍しているんです。

肉製品の持ち込みについては、動物検疫所のホームページに、
マンゴウなどの農作物の持ち込みについては、植物防疫所ホームページに詳しく書かれています。(外部リンク)

また、動植物検疫探知犬の業務を知りたい方は、「クンくんのうた~お仕事紹介~」というYouTubeで業務内容を漫画で見ることができます。

検疫探知犬にビーグルが多いのはなぜ?

では、なぜビーグルなのでしょうか?
ビーグルは小型で愛らしい外見をしており、人々に安心感を与えます。
また、ビーグルは嗅覚が非常に優れており、臭いをかぐことが大好きな犬種です。
これは検疫探知犬として非常に重要な特性です。
ビーグルは、狩猟犬としての歴史があり、野ウサギを追跡するために発達した嗅覚を持っています。
そのため、禁止されている品物や申告されていない品物を効率的に見つけることができるのです。

ビーグルが検疫探知犬として選ばれるもう一つの理由は、その性格にあります。
ビーグルは非常に友好的で、訓練を受けやすい性質を持っています。
また、恐怖感や威圧感を与えないため、空港などの公共の場で働くには最適な犬種なんです。

ビーグル以外の犬種は?

検疫探知犬として活躍する犬種は、ビーグルだけではありません。
実は、ラブラドールレトリーバーも検疫探知犬として訓練されています。
ラブラドールレトリーバーは、その優れた嗅覚能力と人懐っこい性格で、検疫探知犬としての役割を果たしています。
彼らは、ビーグルと同様に、空港や郵便局で働き、私たちの健康と安全を守るために貢献しています。

ビーグルとラブラドールレトリーバーは、それぞれ異なる特徴を持っていますが、検疫探知犬としては共通の資質が求められます。
それは、優れた嗅覚、高い学習能力、そして人間と協力して働く能力です。
これらの犬種は、訓練を通じて、さまざまな匂いを識別し、検疫に必要な物質を見つけ出すことができるようになります。

ビーグルとラブラドールレトリバー、どちらの嗅覚が鋭いのか

ビーグルとラブラドールレトリバー、どちらの嗅覚が鋭いのかは一般的には明確な答えがありません。
両犬種とも優れた嗅覚を持っており、それぞれが特定の役割でその能力を活かしています。
ビーグルはもともとウサギ狩りなどの猟犬として、その優れた嗅覚を活かしてきました。
一方、ラブラドールレトリバーは回収犬として、また検疫探知犬としてもその嗅覚を利用しています。

ビーグルは小型犬でありながら、非常に強い嗅覚を持っていることで知られています。
彼らは狩猟時に小動物の匂いを追跡するために飼育されてきた歴史があり、そのために発達した嗅覚は、検疫探知犬としても非常に有効です。

ラブラドールレトリバーもまた、優れた嗅覚を持つ犬種であり、特に水辺での作業に適しています。
彼らは魚を回収するために飼育された歴史があり、そのために発達した嗅覚は、様々な匂いを識別するのに役立っています。

結局のところ、ビーグルとラブラドールレトリバーのどちらが嗅覚が鋭いかという問いには、それぞれの犬種の特性と使われ方を考慮する必要があります。
どちらの犬種も特定のタスクにおいてその嗅覚を最大限に活かしており、一方が他方よりも優れているとは一概には言えないのです。
どちらも嗅覚に関しては非常に優れた犬種であると言えるでしょう。

検疫探知犬の訓練方法

では、検疫探知犬どのようにして訓練されるのでしょうか?

訓練はとても厳しく、正確さが求められます。
空港の税関検査場を再現した室内で、検査対象の食品が入ったスーツケースを使って訓練を行います。
訓練犬は、匂いを嗅ぎ分けることを学びます。
最初はなかなか難しいですが、何度も繰り返し訓練をすることで、匂いを見分けることができるようになります。
正解すると、ご褒美がもらえるので、犬たちは楽しみながら学ぶことができます。

また、ハンドラーと呼ばれる訓練士との信頼関係もとても大切です。
日々の訓練を通じて、犬とハンドラーは深い絆を築きます。
この信頼関係があるからこそ、犬たちは集中して仕事をすることができるのです。

検疫探知犬の訓練は約3〜4ヶ月続きますが、この期間が終わると、犬たちは私たちの健康と安全を守るために、空港や郵便局で本格的に働き始めます。
もし空港で検疫探知犬を見かけたら、彼らが集中して仕事ができるように、静かに見守ってあげてくださいね。

検疫探知犬と麻薬探知犬の違い

皆さんは、空港で働く特別な犬たちを見たことがありますか?それは、検疫探知犬と麻薬探知犬です。
これらの犬たちは、私たちの安全を守るためにとても大切な仕事をしています。
でも、これらの犬たちの違いは何でしょうか?

まず、検疫探知犬についてです。
検疫探知犬は、説明したように海外から日本に入ってくる荷物の中から、肉製品や果物などの検疫を必要とするものを見つけ出す訓練を受けた犬です。

一方、麻薬探知犬は、違法な薬物を持ち込もうとする人を見つけ出す訓練を受けた犬です。
麻薬探知犬は空港でよく見かける犬のひとつです。
彼らは麻薬の入った荷物や衣類を嗅ぎ分けて見つけ出し、国内に麻薬が入るのを防ぐ役割を果たしています。
空港だけでなく、港や国際郵便局などさまざまな場所でも活躍しています。
麻薬探知犬には、麻薬の存在を知らせる方法に2つのタイプがあります。
一つは、麻薬が含まれていると思われる荷物や貨物をひっかいて知らせる積極的なタイプと、もう一つは、携帯品などに隠された麻薬を座って知らせる受動的なタイプです。

では、検疫探知犬と麻薬探知犬の違いは何でしょうか?
一番の違いは、彼らが探すものです。
検疫探知犬は食品を、麻薬探知犬は薬物を探します。
また、彼らが働く場所も異なります。
検疫探知犬は動物検疫所の管轄で、主に空港の入国検査場で働きます。
一方、麻薬探知犬は税関の管轄で、空港や港で働いています。

これらの犬たちは、私たちが見ることのできないものを嗅ぎ分けることができる特別な能力を持っています。
そして、その能力を使って、私たちの健康と安全を守るために日々頑張っています。
検疫探知犬や麻薬探知犬を見かけたら、彼らがどんなに大切な仕事をしているかを思い出してくださいね。

そして、検疫探知犬と麻薬探知犬に似た働きをする犬がもう一種います。
爆発物を嗅ぎ出す爆発物探知犬です。

爆発物探知犬は、荷物の中に隠された爆発物を発見する役割を果たします。
しかし、爆発物探知だけを専門とする犬は少なく、警察犬や麻薬探知犬も爆発物を嗅ぎ分ける訓練を受けています。
また、銃器を探知する犬も存在します。

爆発物の検知に関しては、爆発物マーカーが比較的入手・管理しやすいため、警察や民間でも育成が可能です。
アメリカでは民間の爆発物探知犬も多数活躍しており、日本でも民間の警備会社での導入が期待されています。
移動の便利さや高い追跡・特定能力により、爆発物探知犬は爆発物探知機を凌駕すると言われています。

まとめ

検疫探知犬は、動植物検疫のために訓練された特別な犬であり、空港や港で活躍しています。
彼らは荷物や貨物から伝染病や害虫を嗅ぎ分け、国内に持ち込まれるリスクを防ぐ重要な役割を果たしています。
検疫探知犬の訓練方法は、専門家による訓練であり、基本的な従順さや嗅覚を鍛え、特定の匂いを識別する訓練を受けます。
ビーグルが検疫探知犬に多く使用される理由は、その小型で嗅覚が優れているためです。
ビーグルは微細な匂いも感知しやすく、検疫対象を正確に嗅ぎ分けることができます。

また、検疫探知犬と麻薬探知犬の違いは、役割や訓練方法にあります。
検疫探知犬は伝染病や害虫を見つけるのに対し、麻薬探知犬は麻薬を見つけることが専門です。
それぞれが異なる訓練を受け、異なる匂いを識別する能力を持っています。

これらの探知犬は、日本の生態系と私たちの健康を守るために不可欠な存在であり、その訓練と貢献には深い尊敬の念を抱かざるを得ません。
彼らの働きは、見えないところで私たちの安全を守っています。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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