姫路城

お城の石垣に隠された秘密!石仏や墓石が使われた驚きの理由とは?

お城を歩くと目にする立派な石垣。
歴史を感じさせるその重厚な姿には、実は驚きの秘密が隠されているんです。
中には、お寺の石仏や墓石、さらには古墳の石棺までが組み込まれていることがあるんですよ!
一見ただの石に見えるかもしれませんが、その背後には戦国武将たちの知恵や、築城にまつわるドラマがあります。

なぜそんな石が使われたのか、その背景には何があったのか――。
今回は、そんな興味深い石材「転用石」の秘密を一緒に紐解いていきましょう!

石垣に隠された驚きの事実

お城の石垣と聞くと、巨大な石が精巧に積み上げられた荘厳な風景を思い浮かべるかもしれません。
しかし、その石垣の中には、意外な素材が使われていたことをご存じですか?
お寺や神社にある石仏や墓石、さらには古墳の石棺まで、これらが転用されている例が全国各地のお城に残っているのです。
「祈りの対象だった石が、ただの建材にされたなんて!」と驚く方もいるでしょう。
この驚きの事実を知れば、石垣を見る目が変わることでしょう。

「転用石」とは何か?

「転用石」という言葉は、石材が本来の用途から転じて、別の目的に再利用されることを指します。

お城の石垣に使われた転用石の例には、お寺で祀られていた石仏や、神社の石灯籠、古い墓石などが含まれます。
こうした石材が城の防御や象徴として積み上げられた背景には、石材の不足や築城のスピードが求められた当時の状況がありました。

つまり、使える石を集めて転用することが、効率的な築城方法だったのです。

石仏や墓石が使われた理由とは?

なぜ石仏や墓石が、城の石垣に組み込まれたのでしょうか?

石仏や墓石を石垣に使った理由は、意外と実用的なものが多いのです。
石材の確保が難しい時期や、築城が急がれた時、近隣のどこからでも石を集めて使用することが一般的でした。
その中で、使えそうな石材は再利用され、石垣に組み込まれていったのです。

一部の説では、これらの石材を使うことにより、城に呪術的な守りの効果を期待していたとも言われています。

全国に残る転用石の事例

転用石は、全国各地のお城で見つけることができます。
その中でも特に有名な例は、奈良県の大和郡山城です。
ここには「さかさ地蔵」と呼ばれる逆さまのお地蔵さんが天守台の石垣に組み込まれています。
地蔵がそのまま埋め込まれているため、訪れる人は皆手を合わせるほどです。
さらに、この城には、古代の平城京羅城門の礎石や、梵字が刻まれた石など、歴史的価値のある石材も多く使われています。

この他にも、京都府の福知山城や兵庫県の姫路城には、石棺や五輪塔が転用された石材が見られます。
姫路城の「姥ヶ石(うばがいし)」は、石材不足に困っていたときに、老婆が石臼を提供し、それを羽柴秀吉(はしばひでよし)(のちに豊臣秀吉)が感動して天守台に据えたという逸話が残っています。
他にも、姫路城の備前門の外側には、古墳の石棺が転用された石材が使われているのを見ることができます。

滋賀県の安土城や彦根城、和歌山県の和歌山城などでも転用石を見つけることができます。
特に安土城では、石仏や五輪塔が大手道の石畳に再利用されています。
また、熊本県の熊本城では、熊本地震で崩れた石垣の中から観音像が刻まれた転用石が発見され、大きな話題となりました。

このように、転用石は各地のお城に見られ、当時の築城の状況を物語っています。

転用石探しを楽しむコツ

これらの転用石は、他の石材と形や色が異なるため、比較的見つけやすいものが多いです。
お城を訪れた際には、石垣に隠れた転用石を探してみるのも楽しみの一つです。

例えば、刻まれた文字や仏像の一部など、特定の特徴があれば見分けがつきやすいです。
また、案内板やガイドを参考にすることで、転用石の歴史的背景を知ることができ、城巡りの楽しみがさらに深まります。
「この城は急いで築かれたのだろうか」「この地域は石材が少なかったのかな」といった歴史の背景を感じながら、城の魅力を堪能してください。

転用石が持つ呪術的な意味

転用石には、ただの石材以上の意味があったとも考えられています。

特に石仏や墓石といった石材には、城を呪術的に守る力があると信じられていました。
お城を建てる際、敵からの攻撃だけでなく、霊的な力からも守るためにこうした石が意図的に使われたとも言われています。

逆さに石仏を埋め込むことによって邪気を封じ込めるという伝承も残っており、転用石には防御以上の役割が期待されていたのです。

城巡りがもっと楽しくなる!転用石の魅力

お城巡りは、歴史を感じる旅の一つですが、転用石を探すことでさらに楽しみが増します。お城の石垣に隠された「転用石」は、歴史的にも文化的にも非常に興味深い存在です。
石仏や墓石、古墳の石棺といった本来は全く異なる用途で使われていた石が、築城の過程で再利用され、時にはお城を守る呪術的な役割があったとも考えられています。

単なる石ではなく、その背後には数百年の歴史や信仰が詰まっている転用石。
城の石垣に組み込まれたそれぞれの石材が、どこから来たのか、なぜ使われたのかを考えることで、より深い歴史的な視点を得ることができます。

お城を訪れる際には、石垣に隠れた転用石を探してみましょう。
普段は気づかない歴史の一面が見えてくるはずです。

次回お城を訪れたときは、ぜひ石垣に隠された「歴史のかけら」に目を向けてみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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